読書3冊目:『炭水化物が人類を滅ぼす』ってホントなの!?

著者の夏井睦(なつい まこと)氏とは?

日本の形成外科医。
1957年生まれで東北大学医学部卒業。天才。
従来の治療とは一線を画した「湿潤療法」を普及させるべく、著書など発表多数。
既存の価値観に一石を投じようとしているところが、なんだかカッコ良い。

読んだきっかけ

『炭水化物が人類を滅ぼす』なんんて、栄養学の基本を学んだ僕からしたら、「イヤイヤ嘘だろ!!」って感じ。でも、本当に批判できるのか、著者の考えは嘘なのか?それを検証したくて読み始めた。

『炭水化物が人類を滅ぼす』メモ

なぜ糖質制限の本を書くのか。それは単純に、医学的・科学的に糖質制限が面白いからである。
それは、自分の体を実験台にしてできる人体実験としての面白さであり、

糖質は栄養学(科学)的には、「生活するためのエネルギーを得るために必要な栄養素」だと説明される。
しかし、糖質を摂らなくても生活できることは事実だし、この原因を究明していこうというのが本書の目的。

筆者と考え方は違うが、僕としても、栄養バランスを変えることで自分の体に起こる変化は楽しくて興味深い。
そういう意味で、人体実験というのは言い得て妙、だなと。

一般的には、「ご飯や麺類は消化が良い。しかしおお肉は消化に悪い」と言われているが、これが大間違いなのである。肉や魚などのタンパク質は、胃酸で速やかに消化されて小腸に送られるため、胃滞留時間は数十分程度である。逆に、ご飯や麺類は勇んでは消化されず、いつまでも胃の中に留まっている。

汚い例だけど、お酒を飲んで吐く人の嘔吐物を見てみると、米や麺はあっても肉の塊が出てくることはない、ということからも、わかるそう。
つまり、シメのラーメンや雑炊などの炭水化物は、寝ている間中胃酸を出し続けることとなり、二日酔いなどの現象に繋がるそうなのだ。

簡単にいえば、糖質とは、「血糖値をあげる栄養素(食品)」である。(中略)
血統を最も効率的にあげるものが、ブドウ糖(グルコース)だ。だから、糖質制限においてはブドウ糖そのものが含まれる食品はなるべく避けるべきだし、体内でグルコースに変わるデンプンも控える必要がある。(中略)
日本人の食事は、基本的に「ご飯(主食)とおかず」である。(中略)
ちなみに、このような「ご飯とおかず」という食べ方の様式が日本に生まれたのは、平安時代であり、その成立には「米は神が授けてくれた神聖な食べ物」という、コメ信仰ともいうべき意識が働いていたようだ。(中略)
頭から「主食」という言葉を追い出すことが重要だ。

コメなどの炭水化物を「主食」として考える文化は日本独特なよう。しかもその原点は平安時代まで遡るというのだから、驚くばかり。
長年の積み重なりによって「コメ=主・メイン」という考えが日本人の頭にはびこっているため、糖質制限に精神的な負担があるようだ。
他国を見てみると「主食」という考えはないようなので、そういうグローバルな視点を持てば、糖質制限も容易にできそうだ。

人言の生存に書くことができない必須脂肪酸と必須アミノ酸に関しては、食事で外部からと言いれるしか方法がないが、炭水化物に関しては、アミノ酸を材料にブドウ糖を合成する「糖新生」というシステムが人間には備わっていて、タンパク質さえあれば自分で作り出せるからだ。(中略)
いやでも外部から取り込むしかないという意味での「必須炭水化物」は存在しないのである。

つまり、「糖新生というシステムにより、炭水化物は必要なく、脂質とタンパク質さえあれば良い」ということ。
糖新生はプロテイン至上主義をより強固なものとする、非常に優秀なシステムだな。

「余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて、脂肪細胞にストックする」という方式である。だから、糖質を食べると脂肪細胞中の脂肪が増加し、その結果として体重が増え、ウエスト周りが肥大化してくるわけだ。

糖質(炭水化物)を取りすぎると、体重が増えるメカニズム、めちゃくちゃわかりやすい。

この「食事バランスガイド」は、国立健康・栄養研究所が、日本人の平均的な食事を調査し、その平均値を算出したものをベースに作られたからだ。

僕はこの「食事バランスガイド」を本書で初めて知ったが、だいたい「バランスのとれた食事の見本」みたいなやつは、こういうものだろう。
確かに、日本人の糖質取りまくりの食事の平均値であり、あまり参考にならない。
参考までに載せておく。


出典:厚生労働省HP

 

このように、糖質制限は多くの人にとって福音となるはずだが、光があれば影有りで、糖質制限の普及を苦々しく思っている人もいる。日本糖尿病学会のお偉方と、糖尿病専門医の方々、製薬会社だ。要するに、「糖尿病治療で飯を食っている」人たちである。

「医療」に対して、僕は無自覚に正しいもの、と考えてきた。しかし、そうとも限らないことを学んだ。
やはり、医療もビジネスの要素があり、携わる仕事の人々は「需要」と「供給」の世界で成り立っている。
ただ、こうした「正論」はマスコミで報道されることはないため、僕も含め知らない人が多いの
だろう。今後は、「医者が言っているから」と鵜呑みにせず、自身の力でリサーチする力を養っていこう。

世の中には食べることが何より楽しみ、人生の喜び、という人がいるが、一方で、食べることを楽しいとしない人生も可能なのだ。

確かに食べることは楽しい。ただ、自分のいままでの生活を振り返ってみると、食事の充実度が相対的に低いほうが、生活全体の充実度は高いように思う。
だって、食べるのを忘れて、本を読んだり、カラオケ行ったり、ネットサーフィンしたり、って結構楽しくない??
食べることは最小のエネルギーしか注がず、それ以外の生活に注力した方が、精神・肉体どちらの健康にもメリットが大きそう。

まとめ

この本では、基礎的な栄養学を批判的に見る著者の考えがよくわかった。
なんだかんだ、著者の考えも、否定のしどころが少なく、自分が学んだ栄養がくと矛盾はしていることがなかった用に思う。
一方で、世に出ている栄養に関する情報は、様々な見地から論じられているということを肝に据えるのが重要なのだろうな。
トレーナー・トレーニーなのか、医者なのか、製薬会社の人か、役所の人かなどなど、ちゃんと見極める必要がありそうだ。

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